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対策事例:専門業務型裁量労働制度で是正勧告を受けた

編集部門で専門業務型裁量労働制度を採用し、1日のみなし労働時間を11時間として、労使協定を締結していたA社が労働基準監督署の臨検を受け、裁量労働制の対象が拡大されていることと、深夜、休日手当ての支払いがなされていないことなど労務管理方法について是正勧告書が出されました。

専門業務型裁量労働制度の運用に関しては、是正勧告や指導の対象になることが多く、同制度を採用している会社が留意すべきことをA社の対策事例をもとにまとめていきましょう。

労基法第38条の3に規定される専門業務型裁量労働制とは、業務遂行の手段・方法、時間配分などがその業務の性質上、労働者の裁量に委ねる必要があるため、労使で協定した時間を労働時間とみなす制度です。

この業務対象は厚生労働省令などで定める19の業務に限定されています。

その対象に編集の業務も含まれています。


A社に対する勧告事例では、編集者のほか、カメラマンやイラストレーター、記事校正者も、編集部門として裁量労働制が採用されていたが、これらの編集者以外は対象とはならず、通常の労働時間の把握が求められました。

編集者は「新聞もしくは出版の事業における記事の取材や編集」として対象業務に該当するものの、すなわち編集管理者の管理のもとで、記者に同行するカメラマンや記事の校正業務は対象業務の付随業務とみなされます。

同様のケースは、服飾デザインにおいても、図面の作成者やパターンナーは考案者であるデザイナーの付随業務とされます。対象業務の範囲は限定的なものであること留意して、拡大解釈していないかを確認することが必要です。

また、A社では編集部門従業員の出勤日や労働時間が把握されていないことが是正勧告されました。対象業務であっても、深夜労働や休日労働に関する規制はあるため、割増賃金の支払いは適正に行われなければなりません。

そのために労働時間を管理する必要があります。A社では編集部門にタイムカードを導入し、編集業務以外の付随業務者の超過勤務が発生しないように編集管理者が管理すること、また対象業務である編集者も深夜労働と休日出勤には割増賃金の支払いをおこなう改善策をとりました。

さらに、是正勧告では編集者が深夜に従事することが多い場合、6ヶ月ごとに定期健康診断が必要とされることが指摘されました。これは専門業務型裁量労働制において心身の健康に問題を抱えるケースが増えてきたことから、健康・福祉確保の措置義務が、平成15年に追加されさたための指導です。

A社では、健康管理のために年2回の健康診断実施と産業医との連携強化、および就業規則に健康診断受診義務の事項を設け、従業員自身にも健康管理義務を徹底することで改善策としました。


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