所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせる「賃金不払残業」に対して、その解消を図るために厚生労働省は「労働時間適正把握基準」を平成13年4月6日付けで通達しています。
そのなかで経営者に適正に労働時間を管理する責務があることを改めて明らかにするとともに、労働時間の適正な把握のために、経営者が講ずべき措置等を具体的に示されました。
それに沿って労基署は「賃金不払残業重点監督月間」などを設け、賃金不払残業の解消と適正な労働時間の管理に向けたキャンペーン活動を実施しています。
その活動のなかでおもな是正勧告とその対策を紹介しましょう。
「以前より時間外協定がないにもかかわらず9時から19時まで9時間の労働時間を労働者に課していた。繁忙期は10時間を超えることもあった」 (是正勧告内容)
■違反事項例:時間外労働に関する協定がないにもかかわらず、労働者に1日8時間を超えて時間外労働を行わせていること
■是正期日:即時 (是正報告書の記載内容)
■違反事項及び指導事項:労働基準法第32条
■是正内容:1日の労働時間を8時間以内とし、法定時間外の労働に関しましては労使協定を締結し届出をいたしました。労使協定の写しを添付致します
■是正完了年月日:○年○月○日
「時間外労働、休日労働が行われているのだが、昨今の経済情勢で資金繰りも厳しく残業代を支払っていなかった」
労働基準法では、時間外労働に関しては25%以上、休日労働に関しては35%以上の割増賃金を支払わなければならない。時間外、休日及び深夜の割増賃金違反(労働基準法第37条)は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
(是正勧告内容)
■法条項等:労働基準法第37条1項
■違反事項:法定労働時間外労働、休日労働に対して法定で定めている割増賃金を支払っていないこと
■是正期日:是正勧告から2ヶ月以内程度(是正報告書の記載)
■違反事項及び指導事項:労働基準法第36条
■是正内容:割増賃金分を計算し○月×日に支給いたしました。領収書、賃金台帳の写しを添付いたします
■是正完了年月日:○年○月○日

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